WordPressの初期設定② 〜サイト設計・運営準備〜

WordPressを導入した直後に「記事を書き始める前にやっておくべき初期設定」がいくつかありますが、今回は「サイト設計・運営準備」編として、解説をします。

ブログを公開する前に、プロフィールや、問い合わせ先、プライバシーポリシー、サイトマップなどを設定しておくのが一般的です。

これらを設定するのは、読者や検索エンジンに「このブログは安心して読める」「信頼できるサイト」と認識してもらうためです。
初めての方でも理解しやすいように、目的や理由も含めて、具体的な設定方法を説明していきますね。

レンタルサーバーの申し込みから、記事作成までの全体の流れは、下記の記事をご確認ください。

目次

サイト設計・運営準備の流れ

サイト設計・運営準備については、外観を整える作業になりますが、次のとおりの流れで進めていきます。

WordPress初期設定② 〜サイト設計・運営準備〜
サイト名を登録する
プロフィールを設定する
コンタクトフォームを設置する
プライバシーポリシーを設置する

サイト名を登録する

ブログサイトの名前は、単なる「タイトル」以上に重要な意味を持ちます。それはブログの「顔」であり、「ブランド」そのものです。

これからじっくり育てていくことになるので、愛せる名前を決めて、訪問した人にもそれが分かるように登録しましょう。

サイト名の付け方

まずはサイト名を決めましょう。
サイト名は、これから長く付き合うことになると思って、考えてください。子どもの名前とまではいかなくても、ペットの名前をつけるときくらいの気持ちで。

100%満足いく名前をつけるのは難しいので、あまり悩みすぎて、先に進まないのも考えものです。いい名前は偶然の要素もあるので、最後は思い切りになるかもしれません。

参考までに、サイト名を付ける際のポイントを2つ挙げておきます。

  • 記憶に残りやすく、覚えてもらえる
  • ブログの方向性やジャンルが伝わる

記憶に残りやすく、覚えてもらえる

読者が「またこのブログを見たい」と思ったとき、名前が印象に残っていないと再訪されません。
逆に、インパクトがあったり、語感が良い名前は覚えてもらいやすく、リピーターを増やす要因になります。

例:「クックパッド」や「価格.com」などは、名前だけで内容がイメージできます。

ブログの方向性やジャンルが伝わる

名前にブログのテーマやターゲットが含まれていると、初めての読者でも「どんな内容のブログか」がひと目で分かります。

例:「40代からの副業ブログ」→ 誰向けで、何について書いているか明確。

キャッチフレーズとは?

「キャッチフレーズ」というのは、ブログのコンセプトや価値を端的に伝える短いフレーズのことです。
サイトタイトルのすぐそばに表示されたり、SNSや検索結果で見られることも多く、「このブログはどんな内容なのか」を読者に一瞬で伝える役割を持ちます。

サイト名を補足するような役割を持ちますので、サイト名より長くてもいいですが、それでも短いフレーズの中に、ターゲットや価値、メリット、ジャンルなどが分かるようにしましょう。
すべてを詰め込むことは難しいので、一番伝えたいことが読者や検索エンジンに、なんとなく伝わればOKです。

例えば──

節約ブログ   「ムリなく貯める、ゆる節約術」
旅行ブログ   「好奇心が地図を広げる旅ブログ」
仮想通貨ブログ 「初心者にやさしい仮想通貨入門」
副業ブログ   「会社に頼らず生きる力を育てる」

ちなみに、サイト名やキャッチフレーズは、CHAT GPTなどのAIに相談すると、いくらでも案を提示してくれますので、有効活用しましょう。

ただ、キャッチフレーズはなくても全然問題はないので、もし気に入ったキャッチフレーズが出てこなければ、登録する必要はありません。いいのが出てくれば、後から登録しても大丈夫です。

サイト名を登録する方法

では今回の作業はすべてWordPressの管理画面から行う作業になりますので、WordPressにログインして、以下の手順に沿って対応してください。

手順
一般設定画面を開く

左サイドバーのメニューから、①「設定」⇒②「一般」を選択し、「一般設定」画面を開く

手順
サイトのタイトル・キャッチフレーズを登録する

開いた「一般設定」画面の
 ・サイトのタイトル
 ・キャッチフレーズ

に「サイトの名前(サイトのタイトル)」と「キャッチフレーズ」を登録する。

サイト名を登録する作業はこれで完了です。

プロフィールを設定する

続いて、「プロフィールページ」を設定していきます。

ブログサイトの名前を決めているなら、おそらくブログのジャンルはもちろん、ターゲットや伝えていきたい内容などは決まっていると思います。

それらの方針を整理して、プロフィールページに、サイトと運営者の紹介を掲載します。

プロフィールページの目的

「プロフィールページ」は、訪問者に安心感と親しみを与え、ブログの信頼性を高めるためにとても重要なページです。

信頼されるブログにするための「名刺」+自己紹介のようなイメージです。

目的はサイトと運営者の紹介なのですが、もっと具体化すると、次のことを伝えるものです。

サイトの紹介

  • どんなテーマのブログなのか
  • どんな人に向けたブログなのか
  • 何を提供しているのか(価値・メリット)

運営者の紹介

  • 運営者の人柄や背景を知ってもらう
  • なぜこのブログをやっているのかに共感してもらう
  • 信頼感を得る

特にサイトの紹介に関しては、今後のブログの運営方針が整理されていなければ、一貫性のない記事群となって、運営者が迷走してしまうこともあるので、運営方針はしっかりと練りましょう。

ブログの運営方針を考える際に参考になるのは、「創業計画書」です。ブログも広告で「稼ぐ」という意味では、事業と同じなので、「創業計画書」を作ると、かなり考えがまとまります。

日本政策金融公庫のサイトにサンプルが掲載されているので、参考に作ってみましょう。

<出典:日本政策金融公庫

固定ページについて

これからプロフィールページやコンタクトフォーム、プライバシーポリシーなどを作成し、公開していく作業に入っていきますが、「固定ページ」について簡単に触れておきます。

WordPressには「投稿」(Post)と「固定ページ」(Page)という2種類のページがありますが、プロフィールやプライバシーポリシーは「固定ページ」で作成するのが一般的です。

「投稿」と「固定ページ」について、何が違うのかを比較したのが下の表になります。

今後どんどん発信していくブログ記事については、「投稿」で作成します。今回作成していく、プロフィールやプライバシーポリシーなどは、独立した情報になるので、「固定ページ」で作成します。

今回固定ページで作成すべきものはすべて作ることになるので、以降は基本的には「固定ページ」はほぼ使う機会はないかと思います。

投稿と固定ページの比較表

項目投稿(Post)固定ページ(Page)
用途ブログ記事など、時系列で更新されるコンテンツ向けプロフィール・お問い合わせ・ポリシーなど、独立した情報向け
時系列の並び日付順に並ぶ並ばない(時系列に依存しない)
カテゴリ・タグ使える基本的に使えない
アーカイブや一覧表示ブログ記事一覧などに自動で表示される一覧に表示されない
想定する読者定期的に読む人(リピーター)必要に応じて探す人(初訪問者や確認目的)

投稿一覧に並ばないことで、検索エンジンに「ブログ記事ではない独立した重要ページ」と認識してもらいやすくなったり、読者も「ブログ記事を読む途中で紛れて出てくるような情報じゃない」と直感的に分かります。

これらの適正を踏まえて、「固定ページ」で作成する作業になりますので、理解しておいてください。

プロフィールページの設定方法

プロフィールページに掲載する内容が出来上がったら、公開してみましょう。

手順
固定ページを開く

左サイドバーのメニューから、①「固定ページ」⇒②「固定ページ一覧」を選択し、「固定ページ」画面を開く

手順
固定ページを追加する

「固定ページ」一覧の画面の上部にある「固定ページを追加」ボタンをクリックし、新規の固定ページを開く

手順
プロフィールページを作成する

新規の固定ページに、作成したサイト・運営者の紹介を書きます。

手順
画像を登録する
案内人コジート

運営者については、できるだけ画像も掲載しておきましょう。
・本人の顔写真(実写)
・イラスト(似顔絵・キャラ)
・シルエット・後ろ姿など
信頼性や安心感、親近感を増す効果があるためですが、顔出ししないなら、似顔絵やキャラクターを作っておくと、ふきだしに利用したり、SNSを活用することもできます。

固定ページのブロックの ① マークをクリックすると、ブロックエディタのメニューが出てきますので、②「画像」を選択します。

画像をアップロードする画面が出てきますので、画像の保存先からアップロードします。

手順
プロフィールページを公開する

プロフィールページが完成したら、公開ボタンを押して完了です。
ただし、「スラッグ」が「プロフィール」のままだと、URLが日本語混じりになるので、英語に修正するのを忘れないようにしましょう。

コンタクトフォームを設置する

次に、コンタクトフォームを設置します。いわゆる「お問合せフォーム」です。

コンタクトフォームは、単なる「連絡手段の1つ」ではなく、読者との信頼関係を築くパーツなので、ブログサイトを開設する前に設置しておきましょう。

コンタクトフォームの目的

コンタクトフォームを設置する目的について触れておきます。
もちろん、メールアドレスを直接公開しなくてもよいというメリットが大きいのですが、その他にもいくつかあります。

  1. 読者や広告主などからの連絡手段の確保
  2. 信頼性の高いブログと評価されやすくなる(SEOにも影響)
  3. 読者の声を拾ってブログ改善に役立てられる
  4. トラブル対応や著作権の申し立てなど、責任ある運営のため

1. 読者や広告主からの連絡手段を確保するため

  • 読者が質問・感想・要望を伝えたいときの“窓口”になる。
  • 広告掲載依頼、レビュー依頼、取材などビジネスチャンスの入り口になる。

2. 信頼性の高いブログと評価されやすくなる(SEOにも影響)

  • Googleは「運営者情報が明確であるサイト」を評価する傾向にある。
  • お問い合わせ先がしっかり設置されていることで、「責任を持った運営をしている」と認識され、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)評価にもプラスになる。

3. 読者の声を拾ってブログ改善に役立てられる

  • 実際の読者の質問・感想から、次に書くべき記事のヒントを得られたり、不明点を補足できる。
  • 読者とのコミュニケーションが、ブログの方向性をより的確にしてくれる。

4. トラブル対応や著作権の申し立てなど、責任ある運営のため

  • 画像の利用許可、記事引用の可否、誤情報の指摘など、万一のトラブル対応にも必須
  • 読者や関係者が「連絡が取れない」状態だと信頼を失う原因になる。

単なるお問い合わせ先を設置するだけではありますが、「ある」のと「ない」のとでは、大きな差がありますので、ぜひ設置しておきましょう。

コンタクトフォームの設置方法

あああ

手順
プラグインをインストールする

コンタクトフォームを簡単に設置してくれるプラグインがあります。

「WordPressの初期設定 〜考えなくてもすぐにできる基本設定〜」の記事の「プラグインのインストールと有効化」の作業の中で、必須プラグインとして「Contact Form 7」を紹介しています。

このプラグインをインストールします。すでにインストール&有効化済みの場合は、手順2に進んでください。

手順
「コンタクトフォーム」画面を開く

「Contact Form 7」を有効化すると、左サイドバーに①「お問い合わせ」というメニューが追加されていますので、クリックして、②「コンタクトフォーム」画面を開きます。

手順
「コンタクトフォームを編集」画面を開く

「コンタクトフォーム」画面を開くと、すでに「コンタクトフォーム1」というフォームがあると思いますので、クリックして、「コンタクトフォームの編集」画面を開きます。
 ※プラグインの「Contact Form 7」を有効化していることが前提です。

手順
ショートコードをコピーする

「コンタクトフォームの編集」画面の上部にあるショートコードをコピーします。

手順
「固定ページ」を新規で開く

左サイドバーから①「固定ページ」⇒②「固定ページを追加」をクリックし、新規の固定ページを開きます。

手順
「ショートコード」を貼り付ける

新規の固定ページに、先ほどコピーしたショートコードを貼り付けます。

最後に、タイトルをつけて、スラッグを英語にすればコンタクトフォームは完成です。

公開ボタンを押して、確認してください。


入力例

タイトル:お問い合わせ
スラッグ:contact

手順
公開されたコンタクトフォームを確認する

コンタクトフォームの形になって公開されていることを確認できたら、作業は完了です。
念のため、実際にコンタクトフォームからメッセージを送信して、届くかどうかも確認しておきましょう。

フォームから着信するメールアドレス

なお、コンタクトフォームから送信されたメッセージが届くメールアドレスは、「一般設定」画面(「設定」⇒「一般」)の「管理者メールアドレス」に登録されているアドレスです。

必要に応じて、変更可能です。

プライバシーポリシーを設定する

「プライバシーポリシー」の設置は、単なる形式的なものではなく、法律上の義務や読者との信頼構築、広告審査の通過などに直結する非常に重要な要素です。

プライバシーポリシーって何?

プライバシーポリシーとは、ブログを通じて取得するユーザー情報(アクセス解析、コメント、広告、問い合わせ等)について、「どんな情報を収集し、どう利用し、どのように保護するか」を明示する文書です。

プライバシーポリシーの目的

プライバシーポリシーを設置する目的についても触れておきます。
もちろん、読者に対して、事前に取り扱い等を明示することでトラブルを回避できることもありますが、それ以外にも目的はあります。

  1. 個人情報保護法など、法的義務への対応
  2. Google AdSenseやASPなどの広告審査に必要
  3. 検索エンジン対策(E-E-A-T強化)

1. 個人情報保護法など、法的義務への対応

  • 日本では「個人情報保護法」により、個人情報を取得する場合は、その利用目的を明示する義務があります。
  • 名前やメールアドレスを問い合わせフォームで取得する場合、必ずプライバシーポリシーの掲載が必要です。

2. Google AdSenseやASPなどの広告審査に必要

  • Google AdSenseを含む多くの広告ネットワークでは、プライバシーポリシーの設置が審査通過の条件になっています。
  • Cookieの利用(ユーザーの閲覧履歴など)について明記する必要があります。

3. 検索エンジン対策(E-E-A-T強化)

  • Googleは、専門性・信頼性のあるサイト(E-E-A-T)を評価します。
  • プライバシーポリシーや免責事項の整備は、「運営者が責任を持って情報を発信している証拠」として評価されることがあります。

プライバシーポリシーも1回設置すると、基本的には半永久的に機能するので、初期設定の中で設置しておきましょう。

プライバシーポリシーの設置方法

手順
プライバシーボリシーを作成する

自分なりのプライバシーポリシーを作ってもいいですが、初めての場合はよく分からないと思いますので、本サイトのプライバシポリシーをまるまるコピーしていただいて構いません。

リンク:プライバシーポリシー

ただし、次の3点はご自身のブログの内容に修正のうえ、利用してください。

修正が必要な3箇所

  • ブログ名
  • 「お問い合わせフォーム」のリンク先
  • 「制定日」「最終改定日」
手順
「固定ページ」を新規で開く

左サイドバーから①「固定ページ」⇒②「固定ページを追加」をクリックし、新規の固定ページを開きます。

手順
「固定ページ」に手順1で作成したポリシーを貼り付ける

新規の固定ページに、先ほど作成(コピー)した「プライバシーポリシー」を貼り付けます。

最後に、スラッグを英語にすればプライバシーポリシーは完成です。

公開ボタンを押して、確認してください。

まとめ

以上が、「サイト設計・運営準備」です。サイトのイメージも固まって来たので、早く記事を投稿したいとワクワクしているのではないでしょうか。

初期設定は次の「GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソール 〜分析と収益化のための準備〜」でいよいよ最後です。

最後は、今後記事をある程度発信していった際に、分析は必要になります。収益を目指して、改善を繰り返すために、その準備をしておく作業です。

では、準備完了を目指して、もうひと頑張りしていきましょう!

初期設定

  • WordPress初期設定① 〜考えなくてもすぐにできる基本設定〜
  • WordPress初期設定② 〜サイト設計・運営準備〜
  • GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソール 〜分析と収益化のための準備〜
目次